市内のパネル工場を支援、売電収益は環境施策に

 太陽光発電は、コウノトリの復帰と同様、環境を保全するための活動が経済効果を生み、その経済効果によって、環境保全活動がより活性化するような循環を目指す。「環境と経済が共鳴するまちづくり」の一環として手掛けている。

 土地は、豊岡市などの所有する未活用地を使った。売電による収益は、木質バイオマスを燃料に使うペレットストーブや、住宅への太陽光発電システムの導入に対する補助といった、環境関連の施策に伴う費用に充てている。

 経済効果には、豊岡市に本社工場を置くカネカソーラーテックへの寄与も含む。カネカソーラーテックは、カネカのグループ企業で太陽光パネルを製造している。豊岡市が開発・運営している3カ所の太陽光発電所で採用したパネルは、いずれもカネカソーラーテック製である。発電設備の設計や施工、保守などの多くも、カネカグループが担っている。

 住宅への太陽光発電システムの導入への補助の対象も、「市内産の太陽光パネルを使う場合は、1kWあたり1万円を上乗せする」という制度とし、カネカソーラーテック製パネルの拡販を支援している。

 大規模な太陽光発電所を開発する契機となったのは、2011年3月の東日本大震災に伴う電力不足と、その後、施行された固定価格買取制度(FIT)だった。市庁舎や公立学校などへの中小規模の太陽光発電システムに加え、大規模な発電所を建設することにした。

 大規模な太陽光発電所は、4カ所に導入し、スキームや設備でそれぞれ特徴がある。1カ所目は、地域の未活用地を借り、自ら設備を所有する市営の発電事業、2カ所目は、民間の発電事業者に市有地を賃借、3カ所目は、市が県有地を借り、設備はリース方式を採用、4カ所目は、市有地を使った市営の発電所で、出力1MW以上の規模とした上、カネカソーラーテック製の新型パネルを採用した。