パネル間15cmの隙間の効果

 雪対策で特徴的なのは、パネルとパネルの間に大きな隙間を空けたことである。

 アレイ(太陽光パネルを架台に設置する単位)は、3段で構成している。第1期では、一般的なアレイのように、段ごとのパネルとパネルの間は、約1cmの隙間にした。雪が降ると、最下段の直下には、想像していた以上の雪だまりができた。また、このわずかな隙間に溜まることを起点に、滑り落ちにくくなる場合があることがわかった。

 実は、第1期では、パネルを増設した。この増設分では、段の上下のパネル間を約15cm空けた。段ごとの隙間から雪を落とすことで、最下段のパネルから地上に落ちる雪の量を減らし、雪だまりの高さを下げる効果を狙った(図5~6)。

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図5●段ごとの隙間の違いによる、地上の雪だまりやパネル上への積雪の変化
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図5●段ごとの隙間の違いによる、地上の雪だまりやパネル上への積雪の変化
下は2014年1月1日の例(出所:豊岡市)
図6●段の上下のパネル間を当初の約1cm(左)から、増設分では約15cmに(右)
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図6●段の上下のパネル間を当初の約1cm(左)から、増設分では約15cmに(右)
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図6●段の上下のパネル間を当初の約1cm(左)から、増設分では約15cmに(右)
架台コストの増加や、列間の拡大とのバランスを考慮して設定(出所:日経BP)

 この設計が有効なことがわかり、第2期では、段ごとのパネル間に約15cmの隙間を空けた設計を全面的に採用した。

 豊岡市によると、「積雪対策としては、約15cmよりもさらに間隔を広げる方が理想だが、架台がその分大きくなり、架台のコストの増加につながる」。さらに、アレイの影が長くなることで、列間を広げざるを得なくなり、発電所全体の効率が低下してしまうことを考慮し、隙間の間隔を約15cmに留めたという。

 また、積雪や影によって、太陽光パネルが部分的に覆われた状況で、薄膜シリコンハイブリッド型パネルの強みが生きることがわかった。セル(発電素子)の構造上、雪や影の覆っている部分だけ発電量が低下し、残りの部分は正常に出力する。

 また、夏の高温時の発電効率の低下が少ない利点も生きるという。豊岡市は、スキー場があるほど多雪な地域だが、夏は全国有数の高温が記録される地域でもある。