「神様に出会える植物」
まずは、京都の染色作家の指導を受けながら、フタバアオイを原材料にした染め物の技術を学び、「石田縞」関係者を中心に試作品を制作する計画だ。コースターやハンカチ、タオルなど、すでに製品化されている「石田縞」のオリジナルグッズを参考に「葵染め」グッズの種類を増やしていくという。
フタバアオイは、「神様に出会える植物」と言われ、また、ハート形であることから恋愛成就の謂れもある(図7)。鯖江市は、江戸期の文豪、近松門左衛門が育った地域でもあり、こうした歴史も絡めた街づくりも提案していきたいという。
また、地場産業である眼鏡フレームや越前漆器分野でも、「葵塗り」を応用できないかなど、様々な業種との連携も模索している。
試作品は、5月15日に開催される「葵祭」の会場となる上賀茂神社や、東京のギフト関連の展示会などで配布し、アンケート調査を実施して、商品戦略を練っていくという。
佐飛社長は、「今後3年程度で、商品開発とその販路開拓にめどを付けたい」と言う。そうして商品の出口戦略を固めつつ、いまは空いている500kW分の太陽光パネルの下にも、花壇を設置して、フタバアオイの栽培面積を徐々に増やしていきたいとしている。