藤棚式架台で建設コストは3割増しに

図8●ソバの収穫後はシロツメクサの種を播いた(出所:日経BP)
図8●ソバの収穫後はシロツメクサの種を播いた(出所:日経BP)
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 ソバを収穫した9月中旬以降は、シロツメクサ(クローバー)や菜の花、レンゲの種を播いている(図8)。菜の花は油を採取できるほか、レンゲは、根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定するので、畑にとって緑肥になる。

 こうした花を楽しめる植物を植えるのは、ハチミツの採取を計画しているからだ。2016年度からは、ミツバチの飼育する計画で、ソバの花とその後に植えた草花からハチミツを集めることを目指している。「ソバの花から採取した『ソバハチミツ』は栄養価が高く、健康増進に優れていると話題になっており、ソバと合わせて商品化を検討したい」と、諸田さんは言う。

図9●「太陽と光 皇海山麓そば」との名称で、そば粉の商品パッケージをデザインした(出所:日経BP)
図9●「太陽と光 皇海山麓そば」との名称で、そば粉の商品パッケージをデザインした(出所:日経BP)
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 ソバ栽培の収穫量については、「2年目以降、栽培方法を改善していけば、減収率20%以内という一時転用の基準を満たすことは十分に可能」と諸田さんは見ている。同社では、すでに「太陽と光 皇海山麓そば」との名称で、そば粉の商品パッケージのデザインを進めている(図9)。無農薬栽培に加え、ソーラーシェアリングをウリにしている。

 太陽光発電とソバ栽培に手ごたえを感じているものの、今後、ソーラーシェアリングを事業展開する上では、「太陽光パネルの設置コストの削減が課題になる」と諸田さんは言う。今回の総事業費は約4億1000万円。一般的なメガソーラーの建設コストは、1MW当たり3億円前後とされるので、3割以上割高になった。

 その原因は、架台のコストにある。一般的な太陽光パネルでは、2枚を1本の架台で支えることも可能だが、パネルの小さい藤棚式のソーラーシェアリングでは、1本の架台で1枚を支えることになる。単管パイプ製架台の場合、パイプの本数は一般的な野立ての太陽光発電所に比べ、大幅に増え、それに比例して工数も膨らむ。今回の架台には、中国製の単管パイプを採用したが、それでも使用量が多くコストアップは避けられなかった。

 架台設計の工夫で、こうしたコスト増をいかに抑えられるか、シェアリングによる増収分、そして、椎坂建設が取り組む「農業の6次産業化」によって、いかに付加価値を高められるかが、今後さらに展開していくためのカギになりそうだ。