環境NGOもFIT電気の活用を支持

 CO2排出係数の削減やクレジット、グリーン電力証書の採用は、「環境への配慮」としてアピールできるものの、電気料金プランとして商品化する場合、一般消費者に理解しやすいとは言えない。これに比べ「再エネ比率60%」という表示は、一般にも分かりやすい。マーケティング戦略としても魅力的なことが、FIT電気による再エネ比率向上を目指す電力小売会社が増えている背景になっている。

 エネコープの木暮常務は、「FIT電気に環境価値はないものの、再エネであることには違いない。消費者がFIT電気を積極的に選ぶことで、再エネを支持する消費者の声が明らかになり、エネルギー政策に影響を与える可能性もある」と話す。

 国際環境NGO(非政府組織)FoE Japanでは、電力小売り全面自由化に合わせ、パワーシフト・キャンペーンを実施し、「自然エネルギーを重視する電力会社」を14社公表している(図8)。その評価に際し、再エネには、FIT電気を含めている。

図8●「自然エネルギーを重視する電力会社」14社の概要(出所:FoE Japanの公表資料を基に日経BP作成)
図8●「自然エネルギーを重視する電力会社」14社の概要(出所:FoE Japanの公表資料を基に日経BP作成)
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 「FIT電気が環境価値を持った再エネでないことは理解しているが、FIT電気を選ぶことで化石燃料を使った火力発電から再エネへのシフトを支持できる。FIT電気を使った電力小売事業者は、多くの場合、自ら再エネ開発も手掛けており、間接的に再エネ開発を支援することなる」と、FoE Japanの吉田明子氏は説明する。

 吉田氏は、「再エネを重視する14社のうち、再エネ比率は10~50%まで幅がある。『再エネ重視』という場合、何%以上が適切なのか、今後、半年から1年かけて実績を検証しつつ、基準を作るかどうか検討したい」と話す。

 エネチェンジの巻口副社長によると、電源に関連した電力会社のランキングでは、排出係数のほか、「FIT電気を含んだ再エネ比率」を指標に選び、比率の高い順に並べることも検討しているという。今のところ、電源構成(計画)を開示している企業は少数派だが、「電力の小売営業に関する指針」では「公開されることが望ましい」とされている。