冬季も意外と発電
山形浄化センター内のメガソーラーでは、太陽光パネルは3種類、設置角も3種類、基礎は2種類を採用している(図4)。
パネルや設置角の違いによる発電量の違い、積雪時の影響など、県内で太陽光発電設備を設置する企業の参考になるように、設備や設置手法を選んだとしている。
気になる運用状況については、冬季もパネルに積雪していない限り、それほど発電量は落ちないことがわかった。冬は空気が澄んでいることから、予想以上に上ぶれする日も多いという。
太陽光パネルは、シャープ製、カナディアン・ソーラー製、JCU製の三つを選んだ。
開発当時は、積雪地仕様の太陽光パネルはほとんどなく、山形県地域の積雪に耐えられそうな荷重性を備えた製品は限られていた。その中から、あまりに高額な製品を除くと、ほぼこの3社しか残らなかったとしている。
このうち、JCUは、旧・荏原ユージライトである。1990年代から太陽光パネルを研究開発し、積雪地向けのパネルを製品化していた。導入したパネルは、耐垂直荷重が他社の一般的なパネルの約2倍と高かった。
シャープ製とカナディアン・ソーラー製は多結晶シリコン型、JCU製は単結晶シリコン型となっている。
シャープ製は出力566kW分あり、2052枚を設置角40度、252枚を20度で設置した。カナディアン・ソーラー製は554kW分あり、2088枚を30度、216枚を20度で設置した。JCU製は1126kW分あり、4032枚を30度、468枚を20度で設置した。
この比較は、その後、自社で県内に開発した6カ所の太陽光発電所の開発にも生きた(図5)。上山市の出力750kW(上山金瓶ミドルソーラー)、川西町の500kW(置賜浄化センターミドルソーラー)、天童市の607kW(エコタウン成生ソーラー)、寒河江市の1.5MW(寒河江市浄化センターメガソーラー)、三川町の250kW(三川町ミドルソーラー)、山形市の1.999MW(長谷堂メガソーラー)で、浄化センターなど4カ所の公有地のほか、2カ所は民有地を活用した。
設置角や設置高、基礎や架台などは案件ごとの条件によって変えているものの、太陽光パネルはカナディアン・ソーラー製を採用した。多結晶シリコン型だけでなく、単結晶シリコン型を採用した案件もある。
カナディアン・ソーラー製は、相対的に出力が高く、価格とのバランスに優れていると評価している。