山形では「日々の除雪が必要」

 山形浄化センター内のメガソーラーでは、設置角は変えたものの、太陽光パネルの最低部は1mで揃えた。現地の年間平均積雪量は約50cmで、理想はそれより1m高い1m50cmに設定したかったものの、コスト面で断念して1mとしたという。

 ただ、稼働してみると、1mが適切とわかったという。積雪期は、除雪機で毎日のように除雪している。除雪機が太陽光パネルにぶつからずに走行するためには、1mの高さが必要で、逆にそれ以上では過剰だった可能性があるとしている。

 同社では、どれほどパネル低部を高く設定しても、山形のメガソーラーでは、除雪が必要になると考えている(図6)。

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図6●こまめに除雪機で地上を除雪している
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図6●こまめに除雪機で地上を除雪している
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図6●こまめに除雪機で地上を除雪している
除雪前(左)と除雪後(右)(出所:POWER E NEXT)

 その理由は、山形の重めの雪質の場合、地面に溜まった雪を長期間、放置してしまうと、除雪するのに苦労するためという。毎日のように、こまめに除雪するほうが、シーズン全体を通してみると楽になるとしている。

 除雪作業は、地元のスポーツクラブに委託し、主にサッカーのコーチが担当している。

 全国的にサッカーコーチのプロ化が進み、スポーツクラブと契約する場合が増えてきているが、報酬に限りがある場合も多く、POWER E NEXTの除雪の委託先でも同様の状況にあることから、メガソーラーの除雪料が加わる影響は小さくないのではいかという。

 委託先のスポーツクラブの場合、顧客は子供がほとんどで、学校の授業時間中は、指導していない時間となっている。休日や長期休暇時も、こうした日時が多くなる。こうした空き時間を利用して、サッカーのコーチたちがメガソーラーを除雪している。

 同社の太陽光発電所は7カ所あることから、連日、2人一組でそれぞれの発電所に向かって作業している。

 雪のない春から秋にかけては、雑草の除草作業を担っている。除草では、常用型草刈機と刈り払い機を併用している。できるだけ常用型を使って作業を効率化している。

 同社では、電気などの専門性が問われる部分以外の一般的な管理作業については、特殊技能や知識を持たない普通の人が、容易に作業できるようにする必要があるとしている。除雪や除草では、とくにこの方針を重視しているとする。

 除雪や除草の作業は、シルバー人材センターに委託し、高齢者が担当している地域や発電所もある。ただ、身体的な負担が大きいため、人気職種ではないのが実態だ。除草作業時に電線を切断するといった発電設備の損傷に伴うリスクを嫌い、受託しない方針のシルバー人材センターもある。

 POWER E NEXTの場合、除雪や除草作業で地元に経済効果をもたらすだけでなく、その対象をスポーツクラブのコーチたちとすることで、地域社会の活性化に寄与する機会と位置づけている。より良い環境や待遇によって、コーチたちがより良い指導を実現することで、子供たちを通じて長期的に地域に活力を生み出すのではないかと期待している。