40度に傾けたパネル下に穴を掘る
20度、30度、40度にわけた設置角では、30度で十分にパネルに積もった雪が滑り落ちているようだ。
40度に傾けた太陽光パネルの下のみ、パネル低部付近に深さ50cmの穴を掘った(図7)。地上までの1mと地面を掘り込んだ50cmを合わせ、パネル低部まで1m50cmの距離がある。
40度の場合、素早く雪が滑り落ちるので、パネル低部付近に掘った穴に雪を溜める効果が期待できる。その具合を確かめるために掘り、実際に効果を上げている。
20度や30度の場合、雪は緩やかに滑り、40度のように、パネル低部付近に集中的に落ちることがない。そのため、同じように穴を掘ったとしても、効果が限られる。
基礎や架台は、風速40m/sの強風を想定して採用した。当時は風速30m/s台を前提とした基礎や架台が多く、珍しかったという。浄水センターという公共の施設に立地することから、安全性をより十分に確保する狙いで、一般的なメガソーラーよりも耐風性を高めたとしている。
基礎は、スパイラル杭とコンクリートの2種類を採用した(図8)。コンクリート基礎は、現地で型を組んで、材料を流し込んで固めて形成した。
架台は、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)で形成した製品を採用した。高価となるが、耐腐食性の高さに加えて、軽量なために施工の作業性が高まり、工期を短縮できる点が魅力だった。
その後、太陽光パネルを増設し、その際には「布基礎」と呼ばれる東西方向に長く築いたコンクリート基礎と、鋼鉄製の架台を採用した(図9)。