地元の若者が農業生産人を設立
実は、「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」での営農作業は、農業生産法人のThree Little Birds(匝瑳市)が請け負っている。同社は、2016年2月に地元の有機農家や新規就農者、千葉エコ・エネルギーが共同で設立した。実は、椿氏も業務執行役員としてメンバーの一人となっている。発電事業者である椿氏は、営農者でもある。
Three Little Birdsでは30代の若者が、有機栽培や自然農法に取り組んでいる。椿氏は、「ソーラーシェアリングの農作業受託があることで収入が安定し、若者が無農薬や有機農業など新しい農業にもチャレンジできるようになった」と、期待する。
市民エネルギーちばでは、すでに開畑地区で50kW未満の低圧連系太陽光を2カ所稼働しており、今後もさらも低圧案件は約40サイト、900kW程度のミドルソーラーを2サイトで認定を取得している。すべてが建設できれば、稼働済みのメガソーラーと合わせて、合計4MWを超える規模になる。
加えて、長野県で太陽光発電所を建設・運営し、再エネを主体にした電気の小売りを手掛けるイージーパワー(東京都新宿区)も、市民エネルギーちばと連携して、匝瑳市開畑地区で、低圧連系のソーラーシェアリングを今春、2サイト建設した(図9)。
イージーパワーの竹村英明代表は、「ソーラーシェアリングは、農業生産だけでは十分でない農家収入にプラスの収入をもたらし、耕作放棄地を耕地に戻す効果がある。全国的に見るとまだ、こうした意義が伝わっていない。今後、匝瑳市の成功事例をほかの地域にも広めてきたい」と言う。