自己資金300万円で「50kW発電所」のオーナーに

 とめ自然エネルギーでは、「u50」を地域の非常用電源としても活用する取り組みを「市民オーナー発電所プロジェクト」とし、同社が建設した発電所を、13年後には、土地を提供(賃貸)した地域市民(市民オーナー)に発電所を譲渡するスキームを想定している。

 具体的には、(1)市民オーナーは、とめ自然エネルギーに土地を賃貸すると同時に、長期預り保証金として300万円を拠出する。(2)とめ自然エネルギーは、オーナーの敷地に出力50kW未満の太陽光発電所を建設・所有し、運営・保守を担う。(3)オーナーは、毎年25万円の地代を12年間受け取り、保証金相当額を回収する。(4)13年目に、太陽光発電所の簿価(償却後の残価)と保証金を相殺し、オーナーに発電所を譲渡する。(5)オーナーは、13年目以降8年間、毎年約190万円の売電収入を得るーーという流れだ。

 「u50」は、オーナーに譲渡後も、とめ自然エネルギーが保守を担う。加えて、所有者が代っても、災害時に非常用電源として登米市に電力を開放することになっている(図3)。

図3●市民オーナー発電所には、小型PCSの横に非常用コンセントを取り付けた(出所:日経BP)
図3●市民オーナー発電所には、小型PCSの横に非常用コンセントを取り付けた(出所:日経BP)
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 この仕組みの市民オーナーにとっての利点は、300万円の自己資金で、通常2000万円程度の建設資金が必要になる約50kWの太陽光発電所を所有できることだ。その結果、単なる土地貸しに比べ、20年間で3倍以上の収入が得られる計算だ。

 こうした有利な条件もあり、2013年11月に登米市内で開いた「市民オーナー発電所説明会」には約100人が参加した。申込件数は127件に達し、その中で日照条件などを加味して絞り込み、50件を接続申請し、最終的に37基を建設することになった。2015年内には、すべて完成する見通しだ。