住宅用PCSの自立運転機能を活用

 今春、登米市役所で開催した登米市との「災害時における応援協定」締結式の後、すでに完成した「u50」の見学会が行われた。太陽光パネルには、京セラ製の多結晶シリコン型を採用し、小型PCSには定格出力5.9kW機を設置していた。PCSの横には、非常用コンセントが2つ設置してある。電力系統が停電した場合を想定したデモンストレーションで、PCSの下側にある自立運転モードのスイッチを入れ、コンセントに電灯を差し込んだところ、パッと灯りが着いた(図6、図7)。

図6●PCSの下側にあるスイッチで自立運転モードに切り替える(出所:日経BP)
図6●PCSの下側にあるスイッチで自立運転モードに切り替える(出所:日経BP)
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図7●自立運転時は、PCS1台で最大1.5kWを出力できる(出所:日経BP)
図7●自立運転時は、PCS1台で最大1.5kWを出力できる(出所:日経BP)
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 実は、「u50」に導入した低圧連系用のPCSは、住宅用の一般的な機種で、特別な仕様ではない。一方、メガソーラーなど高圧連系用の大型PCSの場合、系統停電時に発電するには、「自立運転機能」付きの特別仕様になるため、付加的なコストがかかる。住宅用の小型PCSでは、停電時の自立運転機能はすでに一般的になっているため、追加的なコストは、非常用コンセントを設置するだけで済む。

 「市民オーナー発電所プロジェクト」が、防災対応と事業性を両立できたのは、こうした住宅用PCSを50kW未満の低圧発電所に導入し、その自立運転機能をうまく生かしたからとも言える。ただ、今後、災害時の利便性をさらに高めるには、可搬型蓄電池の常備なども課題になる。

 加えて、実際に大規模な災害で停電が起こった場合、とめ自然エネルギーと登米市との役割分担や、自立運転モードに切り替えて電源を開放するまでの詳細な手順などの作成が必要になる。両者では、こうした点について、調整していくとしている。