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その他の応用例

 製品化されたSiCパワーデバイス適用機器としては、パッケージエアコンの圧縮機を駆動するインバータ、住宅用太陽光発電システム向けパワーコンディショナなどがある。パワーコンディショナへの応用では広い出力範囲で98%を超える電力変換効率を達成している。また、開発段階ではあるが、フルSiCモジュールを用いた電気自動車用モータドライブシステムも報告されており15)、モータとインバータを一体化する構造を実現することで大幅な小型化が達成されている。このように、SiCパワーデバイスを適用することで、省エネルギー性能および電気的特性の一段の向上およびパワーエレクトロニクス機器の大幅な小型化が可能となる。

むすび

 優れた材料物性を有するSiCをパワーデバイスへ応用することを目的とした技術開発から、現在本格実用化が始まったところである。今後、一層の普及拡大を実現するためには、SiCパワーデバイス自体の高性能化・高信頼化はもちろん、パワーエレクトロニクス機器のユーザが使いやすい製品の開発と併せてSiCならではの用途を開拓してパワーエレクトロニクス機器の適用範囲を広げることも必要である。パワーエレクトロニクス機器の動作周波数と出力容量の分布を図18に示す。高度なエネルギー利用が求められる中、各分野で動作周波数も出力容量も拡大していく傾向にある。一方で、機器の低損失化・小型化の要望は強まっており、幅広い分野でSiCパワーモジュールの適用が拡大していくことが期待される。

図18 SiC パワーデバイスの将来
図18 SiC パワーデバイスの将来
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