クラスタ故障は交渉代行で「全交換」の例も
今回、接続箱内のヒューズ切れの3カ所以外に発見したのは、「クラスタ故障」と呼ばれる不具合が23カ所、パネル内の極小域が過剰に過熱している「ホットスポット」が5カ所だった。
「クラスタ故障」とは、不具合によって出力の低下したセル(発電素子)が生じた結果、バイパスダイオードが働いて、パネルの3分の1ごとにわかれる複数のセルの組(クラスタ)ごと発電を停止している不具合を指す(図3)。
エネテクでは、今回発見したクラスタ故障については今後、太陽光パネルメーカーと交渉を進めれば、メーカーが交換に応じるのではないかと見ている。
太陽光パネルメーカーは、一般的にクラスタ故障に伴う交換の要求時に、ドローンによる熱分布の画像を示しても、受け入れない。
そこで、多くの場合、アイテス(滋賀県野洲市)の点検装置「ソラメンテ」を使い、さらにパネルの不具合の状態を「裏付け」し、要求することになるという。
別の発電所におけるドローン点検では、同じようにクラスタ故障を発見した太陽光パネルに関して、エネテクがメーカーとの交渉まで代行し、該当するすべてのパネルがメーカー保証で交換となった例があるとしている。
さらに、今回の点検では、前後に他の太陽光発電所におけるEL画像の撮影の予定があり、装置を一緒に運んできていたことから、ドローン点検で判明したクラスタ故障やホットスポットの可能性があるパネルの一部を、試験的に撮影し、EL画像からも不具合の可能性を確認していた(図4、図5)。