4つの不良モードを発見
ドローンで発見できる不具合は、おもに4種類ある。「破損」「ストリング不良」「汚れ」「クラスタ故障」に分類している。
「破損」は、太陽光パネルのカバーガラスが割れていることを指す(図4)。パネル内の複数の場所で、過熱している状況が見られることが多いという。
同社では、「ガラスが割れた後、パネル内に水が入ることで、パネル内のさまざまな場所で異常が生じ、過熱に至っているのではないか」と推測している。
「ストリング不良」は、ストリング単位で発電が停止している状態を指す(図5)。
接続箱内のヒューズ切れや、断線、そのほかの理由によって、太陽光パネルは発電していても、ストリング単位で送電していない状態である。この不良は、ドローンで空撮した温度分布の画像によって、見つけやすい。
「汚れ」は、太陽光パネルの表面が、鳥のフンやその他の理由によって汚れ、その下のセル(発電素子)の発電量が低下している状態を指す(図6)。
「クラスタ故障」は、何らかの不具合でセルの出力が低下した結果、バイパスダイオードが働いて、パネルの3分の1ごとなどにわかれている複数のセルの組(クラスタ)ごと、発電を停止している状態を指す(図7)。
ドローンで空撮した温度分布の画像から発見しやすい不具合の一つとして知られ、同社による点検でも、海外メーカー製のパネルを採用している他社の発電所で、約1600枚のうち約60枚でクラスタ故障を発見した例がある。一方、クラスタ故障を一切、発見したことがない国内メーカーも2社あるという。