ドローン点検事業者が避ける「CIS」にも挑む

 同社がドローンで空撮した他社の太陽光発電所の中には、CIS化合物型の太陽光パネルを導入している発電所もある(動画2)。

動画2●CISパネルの温度分布動画(出所:昭建)

 一般的に、ドローンによる太陽光パネルの点検サービスでは、空撮した温度分布の画像から確実に発見できる種類のCISパネルの故障モードが、現状ではほとんどないことから、サービスの対象外としている。

 しかし、昭建の場合は、事業化してサービスの対価を得ておらず、技術検証を目的に発電事業者の協力を得て空撮しているため、このような挑戦がしやすい。

 現在のところ、CISパネルでも、「ガラスの割れ」をほぼ確実に発見できている(図8)。

[画像のクリックで拡大表示]
図8●CISパネルのガラス割れの発見例
図8●CISパネルのガラス割れの発見例
(出所:昭建)
[画像のクリックで拡大表示]

 CISパネルは、表面が黒い。このため、カバーガラスが割れて、自動車のガラスにように蜘蛛の巣状に割れが広がっていくと、パネルの多くの場所が真っ白に見えるようになる。このコントラストから、ガラスが割れたパネルを特定しやすい。

 興味深いのは、ガラスが割れたパネルと同じ段にある、残りの4枚のパネルも、同じように温度分布の異常を示すことである。

 同社では、白黒の動画で空撮している。空撮時には、地上で携帯端末を通じてリアルタイムで空撮動画を確認している。その際、温度分布の異常がわかった場所があると、地上から操作してその場所の静止画も撮影する。

 その後、解析用のソフトウェアで、後からカラー化したり、温度を表示したりできる。このソフトウェアの温度測定機能では、不具合パネルをソフトウェア上にボックスで囲むと、そのボックス内の最高温度の場所が赤の三角、最低温度の場所が青の三角で示される。そして、画面の左上に、そのボックス内の最低温度、平均温度、最高温度が表示される。

 こうした機能を使うと、CISパネルでガラスが割れたり、そのパネルと同じ段にある温度分布異常のパネルは、温度が他のパネルよりも高くなっていることがわかる。

 CISパネルは、直列と並列を組み合わせてストリングを構成する。5枚を直列につなぎ、その回路を4並列するといった構成が多い。4段のアレイとし、段ごとに5枚を直列で接続し、段を超えて並列で接続している場合が多い。

 こうした状況を考えると、割れたCISパネル1枚と直列で接続されている4枚は、通電されずに送電が止まっている状態にあると見られる。