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 この発電事業者は、和同産業(岩手県花巻市)の機種を使っている。同社は、除雪機や草刈機のメーカーで、発電事業者は元々、除雪機の顧客だった。太陽光発電所の運営をはじめたところ、雑草に悩まされ、効率的に草刈りできる手法として、和同産業の機種を知り、実演で効果を確かめ、購入した。

 こうしたタイプの乗用型草刈機は、以前は国内の3社が製造・販売していたが、現在は和同産業のみが製造・販売しているという。

 和同産業が製造・販売している乗用型は、このタイプのみで、他社が手がけている運転席の真下に回転刃を備える機種は手がけていない。

 また、米iRobotの室内用ロボット掃除機「ルンバ」のように、自律的に雑草を刈るロボット草刈機も開発している(関連コラム)。

木を痛めないようにしつつ、できるだけ接近する

 車体前方に回転刃ユニットのある乗用型草刈機は、おもに果樹園で使われてきた(動画2)。果樹園では、木や果実を痛めないようにしながらも、できるだけ木の近くまで雑草を刈りたいという、相反する要求の中で除草作業がなされてきた。

動画2●果樹園における条件に最適化した
(出所:和同産業)

 この要求に合うのが、車体前方に回転刃ユニットのある乗用型草刈機だった。それなのに、国内で事業化した3社のうち2社が製造・販売から撤退し、1社しか残っていないのは、和同産業によると、性能とコストを両立させるのが難しいからという。

 車体の前に、回転刃ユニットを備える構造は、当然ながら、車体の前に重いものを抱えるような状態になる。しかも、前方の回転刃は、斜め上に持ち上がるようにも動く。このような重くて動くものを、車体の前方に抱えられるだけの強度やバランスが車体全体に求められ、それに必要な構成を実現するのにコストがかかり、販売価格が高くなる。

 和同産業の機種の場合、希望小売価格は税込みで約130万円となっている。

 初代のモデルは1992年に発売し、現行の機種も合わせた累計で3000台以上を販売してきた。

 アレイ低部の下を通り抜けられるような車高の低さは、果樹園で求められる草刈りの条件を反映させた結果という。

 果樹園では、果樹を収穫しやすいように、木を一定以上の高さに伸びないような工夫を講じて育てる場合がある。例えばリンゴなどでよく講じられる手法で、「矮化(わいか)」と呼ばれている(図2)。

図2●背を低く育てた果樹の幹の近くを刈りやすい
図2●背を低く育てた果樹の幹の近くを刈りやすい
(出所:和同産業)
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