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 こうした果樹園では、運転席の下に回転刃を備える一般的な乗用型草刈機を使って、木の近くの雑草を刈ろうとすると、作業者が木の枝にぶつかりやすく、首を左右に大きく倒しながら運転することになる。それでも、木の近くを十分に刈ることは難しい。

 車体前方に回転刃ユニットのあるタイプの場合、回転刃と運転席が上下に並ぶことがないので、車高を低く設計できる。これによって、走行中、枝にぶつかりにくく、かつ、木の近くまで回転刃を近づけられる。回転刃をより木に近づけやすくするために、左右に約50cm回転刃を移動(オフセット)させながら走行する機能もある。

 また、回転刃を斜め上に持ち上げられる仕様は、斜面への対応力の高さだけでなく、メンテナンスにも利点がある。洗浄しやすく、回転刃を交換しやすい。

回転刃の配置とカバーの形状で接近しやすく

 刈幅は1200mmと広い。これは、二つの回転刃によって実現している。二つの回転刃は、平行でなく少し前後させて左右に並べている(図3)。

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図3●回転刃のユニット
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図3●回転刃のユニット
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図3●回転刃のユニット
(出所:日経BP)

 こうした構造は、刈幅を広くするだけでなく、樹木近くの雑草を効率的に刈れることにもつながる。二つの回転刃が近接する場所では、車体のカバーがV字状に窪んでいる。ここに木の幹を挟むようなイメージで近づいていくと、二つの刃がそれぞれ幹の近くで回りつつも、幹には当たらず、幹を傷つけることなく周りの雑草を刈れる。

 回転刃は、反時計回りのみに回るので、表裏両面の刃のうち、回転方向の刃のみを使って刈っている。そこで、片方の面の刃の切れが悪くなってきた場合、刃の表裏を逆に付け替えることで、また新たしい状態の刃で作業できるという。

 刃は、両面ともに切れが悪くなってきたら、交換する。交換用の刃の価格は、約9000円となっている。

 農家の場合、研ぎ機(グラインダー)を所有していることが多いため、自分で研ぎなおして使い続け、交換用の刃の購入間隔を伸ばすことが多いようだ。

 このほか、四輪駆動で幅広・大径のラグタイヤを装着するなど、さまざまな環境に対応できる走行性も重視している。