回転刃を車体横にスライドし、パネル下を刈る

 さらに、太陽光発電所向けに、新たな機能を盛り込んだ機種を開発した。「太陽光パネルの下も刈りたい」という要望に対応した。回転刃を車体の横方向に移動させて走れる機種を製品化し、この秋に発売する(動画3)。

動画3●回転刃のユニットを横にスライドしてパネル下を刈る
この秋に発売予定の新機種。太陽光発電所向けに開発した(出所:筑水キャニコム)

 太陽光発電所において、雑草を刈る優先度が高いのは、太陽光パネル低部の周辺である。ここが最もパネルを超える高さに伸びやすく、売電収入の損失に直結しやすい。

 その一方で、地上からの太陽光パネルの高さが最も低い場所のため、豪雪地域を除く一般的な太陽光発電所では、乗用型草刈機がその下を走り、雑草を刈ることが難しい場合が多い。

 今回、筑水キャニコムが開発、製品化した機種は、回転刃を収めたユニットが車体の横方向にスライドする。これによって、高さの制約があった太陽光パネル低部の下側を、車体全体を潜り込ませなくても刈ることができる。回転歯のユニットは、30cmスライドする。

 このほかにも、さまざまな要望への対応に着手している。例えば、ロボット掃除機「ルンバ」のように、敷地内を自律走行して雑草を刈れないかという要望である。

 無人で自律走行する草刈機の開発では、農林水産省による開発プロジェクトに参画している(図3)。同省には、農業人口が不足していく中、負担が重い上に時間を要する除草作業の効率化を促したいという意向があり、無人化・自動化が最終の目標となる。

図3●「ルンバ」のように無人・自動で草を刈る
図3●「ルンバ」のように無人・自動で草を刈る
農林水産省が取り組む技術開発のイメージ(出所:農林水産省)
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 このプロジェクトは、「中山間地で使える約50万円小型の無人草刈機を開発」などの目標を掲げ、産業技術総合研究所、太洋産業貿易、筑水キャニコムなどが参画している。筑水キャニコムは主に草刈機の車体の開発を担っている。