ゴルフ場跡の斜面も安定して刈り込む

 乗用型草刈機は、国内で3社ほどが手がけている。その一つが、筑水キャニコム(福岡県うきは市)である。農業や林業向けの機器を開発・製造・販売している。

 同社は現在、太陽光発電所向けにも乗用型草刈機を拡販している。発電所に出向いて実演する機会が多い(動画1)。実演の要望は、主に展示会への出展などを通じて募っている。

動画1●ゴルフ場跡ならではの斜面でも軽快に刈り込む
日立市にある施工中の出力約30MWのメガソーラーにおける実演。刈らない時には最高で約14km/h、刈る時には同約8km/hで走行できる(出所:日経BP)

 茨城県日立市にある出力約30MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)も、実演を要望した発電所の一つである。ゴルフ場跡地に立地し、施工中となっている。EPC(設計・調達・施工)サービスとO&Mの両方を担う企業が、草刈りを効率化したいと考え、導入を検討している。

 ゴルフ場跡地をそのまま生かして開発しているため、斜面や凹凸が多い。筑水キャニコムの乗用型草刈機は、4輪駆動を採用しているため、傾斜に強い。いち早く4輪駆動にこだわってきた利点が生きる環境といえる。

 日立市のメガソーラーに持ち込んだ最新機「家族(うち)のまさお」は、最大で30度の傾斜でも安定して稼働できるという。一般的な乗用型草刈機では、対応できる傾斜は15~20度という場合が多い。日立市のメガソーラーでは、急な斜面に生えた背丈の高い草を昇り降りしながら手際よく刈り取っていた。