太陽光発電向けの市場を開拓していく中で、乗用型草刈機以外の商品が売れることもあった。例えば、林業用の運搬車である(図3)。伐採した木を運ぶための車両で、価格は600万円台。斜面などでも重量物を安心して運べるため、太陽光発電所のEPC事業者などが購入した。レンタルなどで活用される場合も多いという。

図3●太陽光発電所のEPC事業者が林業用の運搬車を使うことも
図3●太陽光発電所のEPC事業者が林業用の運搬車を使うことも
斜面で重量物を運ぶのに向く(出所:筑水キャニコム)
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 太陽光発電を含め、新たな市場を開拓する際には、現地での実演を重視している。同社は直販しておらず、農機具メーカー関連などの販売代理店や農業協同組合(JA)、建設機器販売店などを通じて供給している。

 こうした販売形態の場合、通常なら商品のデモは販売代理店の役割となる。しかし、新たな分野では、未知のことが多いため、顧客の悩みや困りごとを直接、聞いて、製品の開発に生かしたいと考えた。この実演は、一年間に約1500回実施しているという。

 同社では、顧客の悩みや困りごとを「ボヤキ」、現地での実演を「プロムナードコンサート」と呼び、重視している。