太陽光発電所でも実演を繰り返し、最新機となる「家族のまさお」に反映したこともある。まず、一般の公道を走れるようにした。果樹園での利用では、敷地外に出ることはないが、太陽光発電所は道路をまたぐ配置となっていたり、近隣地に複数の発電所を運営していることもある。こうした実情に対応して開発した。

 耐久性も高めた。果樹園に比べて、太陽光発電所では、5倍程度多く使われる。車体を覆うカバーは、従来の樹脂製から金属製に変えた。

 従来機のカバーが樹脂製だったのは、果樹園では、果樹の枝や果実に触れてしまった場合でも、傷つけないようにする必要からだった。従来機の外観が丸みを帯びていたのも、同じように果樹や果実を傷つけないためだった。

 果樹園では、できるだけ果樹に近づいて、体を倒しながら枝の下のギリギリを走って雑草を刈る。こうした使い方に合わせていた。

 太陽光発電所では、人の背の高さよりも高い雑草を刈ることも多いため、車体の前方に備える刈り込み口の間口を広くした上、刈り込み口に押し込めるような構造とし、背の高い草や密集した草を倒しながら、効率よく回転刃に巻き込めるようにした(図4)。

図4●背の高い草や密集した草を倒しながら、効率よく回転刃に巻き込めるように
図4●背の高い草や密集した草を倒しながら、効率よく回転刃に巻き込めるように
刈り込み口の形状などを工夫(出所:日経BP)
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 密集した草を効率的に刈る目的で、従来機の22馬力から25馬力に上げている。