まず北海道で運用

 こうして日本に輸入し、太陽光発電所で運用できる体制を整え、2017年夏に最初の1台を導入した。ギガソーラーが施工している北海道・釧路地域のメガソーラーに置き、活用し始めた(動画2)。

動画2●北海道の太陽光発電所の開発における例
直径数cmの木を粉砕している様子(出所:ギガソーラー)

 北海道に持ち込んだのは、同社では現在、道内で10カ所以上の太陽光発電所を施工しており、造成前の除草が必要だったからだ。

 北海道では、こうした同社が開発・売却した案件のほか、複数のメガソーラーから大規模な面積の草刈りを受注しているという。

 アタッチメント(作業別の部材)を変えることで、除雪機として利用できるため、冬季は除雪に使う。

 「ラジコン型草刈機」は、さまざまな幅や大きさの機種が開発されており、顧客の発電所の状況に合わせ、これから地域ごとに徐々に増やしていきたいとする。

 一般的な太陽光パネル設置高であれば、約40cmのアレイ(太陽光パネルを架台に設置する単位)間が、走行できるかどうかの境目になりそうだという。草刈機の横幅は機種によって異なるが、約1.5mなどとなっている。

 一定以上の設置高であれば、パネルの下に潜らせるよう走らせて除草できるため、アレイとアレイの列間隔が車体幅より狭くても刈ることができる。一方、パネル設置高が低い場合には、使えない場所が増える可能性がある。

 雑草は、回転刃で刈り込み、粉砕される。このため、刈った後に集め、廃棄物として敷地外に捨てる必要がない。刈ったまま放置しておけば良く、廃棄の手間やコストが不要となる。

 まだ1台で運用している状況だが、現地でのデモといった試験的な引き合いを除き、すでに合計出力数百MWの発電所から除草作業を受注したという。特別高圧送電線に連系している発電所からの受注が多い。

 自社で開発・売却した以外の発電所で、別の事業者がO&Mを担当し、草刈りのみをギガソーラーに委託してきた案件が多いとしている。

 除草コストについては、その発電所内において、どこまで刈払機による作業を低減できるかが鍵となる。

 同社では、発電所ごとに状況が異なることを考慮して、「すべて刈払機で実施する場合より安くなる」と伝えている。数十MW規模のメガソーラーであれば、単位面積当たりで1日に数十人を投入する作業が、3~6人と10分の1近くで実現できるようになる。

 1台で作業した場合、1日に約5000m2の除草が目安になる(動画3)。草の状態などによって、この面積は変わる。メガソーラーの敷地内には、草が多く生えない場所もあるので、この5000m2という1日・1台による除草の面積は、実質的には出力1MW程度の発電所における作業に相当するとしている。

動画3●1日・1台で約5000m2程度を除草できる
北海道で施工中のメガソーラーにおける活用例(出所:ギガソーラー)

 1台のラジコン型と1台の草刈機を、2人で持ち込んで作業する。除草中は1人がラジコン型の運転に集中し、もう1人はラジコン型では刈れない場所を刈払機で刈ったり、ラジコン型の運転の補助などを担う。

 処理能力が10~20倍に向上するため、工数を低減できる。この一方で、草刈機のコストが安くないので上乗せとなる。草刈機を搬送するコストも加わる。それでも発電事業者にとって、コスト面の利点が大きい場合が多いとしている。

 同社では、釧路で運用中の1台に加えて、2018年春までに5~10台に増やしたいとしている。草刈りを受注している地域を中心に、国内の各地に配備していく。

 各地域の拠点は、施工で培ったネットワークを活用する。