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 今回の開発で想定している500ルクスの環境下では、100mFの蓄電素子を充電し、センサー端末を起動可能な2V強の電圧で出力することができなかった。照度が低く、必要なエネルギーを貯めることができなかったためである。窓際近辺を想定した照度約1000ルクスでは、起動はできたが、それまでに約160分を要した。

 藤森氏らは、制御の方法を工夫し、この状況を改善した(図5)。分散型電源を使ったエネルギーマネジメント用のアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを、ハードウエアレベルで実装し、微小電力を実現した。

 従来の制御の方法は、集中型の電源を使い、太陽電池による発電電力を1つの蓄電素子に貯め、十分に蓄電されてから端末に電力を供給するものだった(図5左)。蓄電素子の容量は比較的大きいことから、エネルギーが貯まるまでに時間を要していた。

 新たに開発した回路では、分散型の電源を使った(図5右)。回路ブロックごとに接続する蓄電素子を分けた。それぞれの蓄電素子が、それぞれの回路で使う分のエネルギーを貯め、供給する。端末全体の状況に応じて、優先順位をつけてエネルギーを供給する。この制御を、エネルギーマネジメント回路が担う。

図5●集中型蓄電から分散型蓄電に
図5●集中型蓄電から分散型蓄電に
機能ごとに優先順をつけてエネルギー供給(出所:日立製作所の藤森氏)
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