PR

 日本国内には、約340万灯の道路灯が設置されている。従来、道路灯に利用される光源の多くは、水銀ランプや高圧ナトリウムランプなどのHIDランプであった。しかし、近年はLEDの高出力化や低価格化が進み、かつ東日本大震災以降の省エネ政策も追い風となり、LEDへの置き換えが進んでいる。次に、トンネル照明においては、古くは発光効率や煤煙透過率の良い低圧ナトリウムランプが数多く採用されてきたが、その後はHIDランプや蛍光ランプなどが選択肢の1つとなり、近年はLEDの採用が増えている。LED化は、基本照明から始まり、高出力が要求される入口照明においても徐々に進んでいる。

 一方、自動車の前照灯においても、従来利用されてきたハロゲン電球やHID ランプからLEDへの切り替えが始まっている。走行ビームとすれ違いビームの切り替えのみであった前照灯システムは、AFS*1やADB*2などといった配光可変機能が実用化されている。

*1 AFS(Adaptive Front-lighting Systemの略)ステアリング操舵方向に合わせてヘッドライトの光軸を向けるシステム。

*2 ADB(Adaptive Driving Beamの略)画像認識カメラシステムで対向車・先行車の存在・位置を検知し、部分的にヘッドランプの光を遮断する配光可変ヘッドランプシステム。

 道路灯や前照灯は、LED化により点滅や調光などの制御が容易になり、様々なシステムを実現できる可能性が高まっている。本報では、車と道路を取り巻く技術動向(ITS*3技術・視認性評価技術・車載予防安全技術・光源技術)を踏まえ、車と道路の照明協調システム案を提案する。紹介するシステム案を実現するには、さらなる技術の進化を待たなければならないものも含まれるが、今後の照明協調の方向性を考えてみたい。

*3 ITS(Intelligent Transport Systemsの略)人・道路・自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通の様々な課題に対処する高度道路交通システム。