光や威嚇音も検討したが・・・

 別府さんは、同社・西日本エンジニアリングセンター・大阪エンジニアリングチームに属しつつ、「鳥取・米子メガソーラー発電所」が着工以来、米子市内に住み込んで、同発電所の施工管理を担当してきた。

 もともと山間のゴルフコースだったため、発電所は多くの森林に隣接していた。そこには複数のカラスの巣があるらしく、造成中の事業用地内に頻繁に飛来していた。土木工事であれば、大きな問題はないものの、パネルが並び始めると、「石落とし」でカバーガラスが割れたり、糞でパネル表面が汚れたりするなどの実害が生じる可能性が高かった(図2)。

図2●隣接した林にカラスの巣があった
図2●隣接した林にカラスの巣があった
(出所:日経BP)
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 そこで、EPC事業者の責任として、効果のあるカラス対策を打った上で発電所を引き渡すべく、複数の対策を検討し始めた。

 太陽光発電所のカラス対策としては、威嚇音やフラッシュ光を断続的に発して撃退する方法が一般的に採用されていた。ただ、30MWと大規模で、10万枚を超えるパネルの架台にこうした装置を一定の間隔で取り付けた場合、3000万円以上の費用がかかることが分かった。加えて、ここまで投資しても、音や光にカラスが慣れてしまうと撃退効果のなくなる懸念もあった。

 そのほかの対策を調べるなか、マンションや工場・倉庫の敷地などの害鳥駆除対策として、鷹匠(たかじょう)がタカを飛ばしてカラスやハトを追い払う手法があることを知り、これをメガソーラーに応用できないか、と検討し始めた。