鷹匠の派遣費用は1日3~5万円
国内の鷹匠がビジネスとして、害鳥駆除を始めたのは、6年ほど前という。公園などでタカを訓練していると、ハトやカラスが居なくなることに気付き、サービス化する試みが始まったという。
ただ、安定的に害鳥を駆除するには、山での鷹狩りとは違った訓練も必要という。「害鳥駆除のニーズのある工場やマンションでは、人や自動車、機械など、山にないものも多く、タカがそうした見慣れないものに驚かないことように訓練している」という。
また、広い場所の害鳥払いでは、闇雲にタカを飛ばしただけでは、カラスが居場所を変えるだけで、居なくならないことも多いという。「何度も試行錯誤するなかで、エリア全体から効果的に追い払う飛ばし方はだんだん分かってきた。今では、あらかじめカラスの状況をよく観察し、飛ばす場所の順番などを練ることで、ほぼ確実に追い払えるようになってきた」(安井さん)という。
グリーンフィールドでは、鷹匠1人・1日の出張費用を3万~5万円(宿泊・交通費別)に設定している。テス・エンジニアリングの別府さんは、「威嚇音の装置を設置する3000万円の費用を考えると、鷹匠による害鳥駆除の費用効果は圧倒的に優れている。何より、ここまでの持続的な効果は、音や光では期待できないのではいか」と話す。
テス・エンジニアリングでは、今回の鷹匠によるカラス払いがうまくいったことから、今後、グリーンフィールドと連携しつつ、メガソーラーのEPC(設計・調達・施工)やO&M(運営・保守)サービスのメニューの1つに加えていく方針という(図12)。