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外来種のタカを飼育して訓練

 筆者が取材で現地を訪れたのは、今年3月下旬の昼過ぎだった。建設事務所から入り口を入り、サイトの中ほどまで進んでも、カラスの姿はなかった。「2017年9月から11月頃まで週2回、タカを飛ばしたことで、いまではほとんどカラスを見なくなった」(別府さん)という。

 その日、鷹匠の安井さんがサイトに訪れたのは、カラス払いの効果を持続させるためだった。稀に来るカラスの様子を観察しつつ、必要に応じてタカを飛ばすという。3カ月間の集中的な追い払いの後は、間隔を開けて月に何度か訪れることにしているという。テス・エンジニアリングでは、グリーンフィールドとの契約は、メガソーラーの稼働により一旦、終了し、今後は、カラス払い効果の持続性を観察していくという。

 取材のためにサイトに滞在していた約3時間に、カラスが3羽ほど飛来し、何回かタカを飛ばした。「移動中のカラスがたまたまメガソーラーを通過したり、若いカラスが群れから独立して新たな縄張りを探したりするので、カラスの飛来を完全にゼロにすることはできません。ただ、当初のようにサイト横の林に営巣し、メガソーラーを縄張りにする群れはないので、多数のカラスが押し寄せることはないでしょう」(安井さん)。

 よく訓練されているため、鷹匠の安井さんとタカの息はぴったりだ。タカを載せた左腕を、飛ばしたい方向に向かって横に振ると、その方向に飛び立っていく。アレイ(パネルの設置単位)のトップや、サブ変電所の筐体上など、タカはその周辺の最も高い場所にとまる(図10)。

図10●タカは高いところにとまる
図10●タカは高いところにとまる
(出所:日経BP)
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 遠くにとまったタカは、じっと安井さんを見ているらしく、餌を出すしぐさをすると、素早く戻ってきて、安井さんの手にある餌をついばむ(図11)。

図11●鷹匠の持つ餌をついばむタカ
図11●鷹匠の持つ餌をついばむタカ
(出所:日経BP)
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 安井さんの相棒として、その日、米子サイトに来たのは、生後7か月のメスの若鳥で、体長40cm、体重900g程度。南米原産のハリスホークという種だ。日本固有種は鳥獣保護法で捕獲できないため、国内の鷹匠は、外来種を飼育・訓練しているという。