1700万円の経費を削減

 企業局は、ヤギ除草を評価するため、導入以来7年間の経費とCO2排出量の削減効果を評価した。ヤギ2頭が1カ月で概ね50m四方のエリアを除草した実績が確認できたことから、月に約0.25ha、年間約3haの除草効果があるとし、これを刈り払い機による機械除草を年1回、7年間実施した場合と比較した(図9)。

図9●ヤギ小屋に近いところがよく食べられている
図9●ヤギ小屋に近いところがよく食べられている
(出所:日経BP)
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 ヤギ2頭の管理に費やした7年間の経費は、(1)水やりなどに関する管理委託費・約560万円(年間約80万円)、(2)冬期の餌代・約21万円(年間約3万円)、(3)管理雑費(小屋購入費用、治療費)・約20万円(7年間合計費用)、(4)予防接種・約21万円(年間約3万円)――となり、これらの合計は、622万円となった。

 これに対し、刈り払い機を使用した除草作業に要する経費は、作業単価を108円/m2とすると、年1回・3haを除草すると、7年間で2268万円となる。

 機械除草のコスト(2268万円)から、ヤギ除草の経費(622万円)を差し引くと、7年間で約1700万円の経費削減効果があったことになる。実際には、一般的な機械除草では、春秋の2回刈りが多いので、その場合、さらに経費削減の効果は大きくなる。

 また、CO2削減効果は、7年間で407.9kgになったという。これはスギの木29本分の年間CO2吸収量に相当する。

 CO2削減効果の算出方法は、ヤギ除草のCO2排出量をゼロとし、機械除草のCO2排出量をそのまま削減量と想定した。機械除草では、7年間で175.7リットルの燃料を使うため、その発熱量の原単位とCO2排出係数などから、CO2排出量を試算した。

 山梨県企業局では、こうした分析結果から、「ヤギ除草は、経費削減と温暖化対策の両方の効果があった」と評価した。加えて、里山の風景と馴染んでおり、来館者や地元の人たちに身近な存在として受け入れられていることも大きな利点としている(図10)。

図10●来館者にはヤギ除草の利点をアピール
図10●来館者にはヤギ除草の利点をアピール
(出所:日経BP)
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