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本記事は、日本機械学会発行の『日本機械学会誌』、第118巻第1165号(2015年12月)に掲載された記事の抜粋(短縮版)です。日本機械学会誌の目次、購読申し込みなどに関してはこちらから(日本機械学会のホームページへのリンク)

[1]ぶっ壊す―小型固体ロケットモータ衝突実験

 H-IIロケットは1994年に第1号機が打ち上がるのですが、その前の数年間、安全性に係る調査研究を行ってきました。その最終段階として、H-IIロケットが打ち上げの早い段階で落ちてきたときに、どのくらいの被害が想定されるかを評価する必要がありました。

 現在、用いられている固体ロケット推進薬は、過塩素酸アンモニウムとアルミニウムをポリマーで固めたものです。組成から「火薬」に分類され、火薬類取締法の適用を受けます。このため、当時の宇宙開発事業団(NASDA)は、火薬の研究を専門にしている私の研究室に協力を依頼してきました。

 衝突実験は十分に広い場所が確保できる北海道・苫小牧の工業団地で行いました。結果としては、使われている固体ロケット推進薬の爆発威力はTNT(トリニトロトルエン)の約2%であることがわかりました。同時に、衝突に伴う衝撃波を多くの計測点でミスなく計測するための技術を確立することができました。