実務への影響は?

<ポイント1> まず、法令に違反する建築工事は、不法行為となりうる旨、福岡地裁判決は明確に判示しています。

 従って、隣家の太陽光パネルに影を落としてしまうような建物の設計をする際は、高さ制限違反などのなきよう、気をつけていただきたいと思います。

<ポイント2> 一般の日照権トラブルにおいては、建築基準法56条の2に定める日影規制適合性が重要な参照要素とされる傾向にあります。しかし、太陽光発電システムに対する日照阻害についての法的責任を検討するにあたって、福岡地裁判決は、日影規制適合性を考慮対象とはしていません。

 日影規制は、開口部への日照を保護するための基準であるため、用途地域等に応じて、基準地盤面+1.5m、4m、6.5mといった、1階、2階、3階の開口部の高さ相当の面での日照時間を基準として定められた規制ですが、太陽光発電システムは、屋上等に設置されることが見込まれるため、基準となる高さに違いがあるなど保護すべき法的利益の内容が異なっているからであろうと思われます。

<ポイント3> 建築基準法に適合した建物でも、隣家の太陽光パネルの発電量を著しく減少させるなど、その侵害の程度が強度といえるような場合には違法と判断される可能性があると言うことです。

新築建物に起因する日射減少によるトラブルは多い
新築建物に起因する日射減少によるトラブルは多い
(写真はイメージで裁判事例とは関係ありません)(出所:日経BP)
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