法的責任を負う可能性は否定できない

 上記の裁判例を考慮すると、本件は、リフォーム業者と顧客との間で太陽光発電システム取付工事の契約を予定する段階まで交渉が進行していたことから、少なくとも、具体的な商談が開始され、契約締結準備交渉関係が成立していたといえます。

 上記状況の下、実際には設備認定がなされていないにもかかわらず、リフォーム業者は、設備認定がなされていることを前提とし、平成28年度の買取価格にて売電が可能であると説明しています。上記説明に基づき、顧客は、平成28年度の買取価格による売電できる前提で、リフォーム業者と太陽光発電取付工事の契約締結を検討していました。

 もっとも、設備認定については、通常、土地所有者自身による申請が予定されており、リフォーム業者が行う場合には、「代理申請」になると考えられます。そのため、リフォーム業者により代理申請を行うことが、明確に予定されていない場合には、リフォーム業者が、顧客に対して、設備認定の見込みを前提とした話をしていたとしても、法的責任を負うとは考えられないところです。

 他方、太陽光発電システム取付工事に関する契約の一内容として、リフォーム業者における、事前の設備認定が含まれるといえる場合には事情は異なります。

 設備認定の有無について関係各所に問い合わせれば容易に確認できたにもかかわらず、これを怠った上で交渉を継続していれば、リフォーム業者の行為は信義則に違反した行為と認定される可能性もあります。当該行為によって、顧客には設備認定がなされているとの見込みが生じていたとして、リフォーム業者に契約締結上の過失が認められ、法的責任を負う可能性は否定できません。

設備設置者と登録者の異なる場合
設備設置者と登録者の異なる場合
(出所:経済産業省)
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