損害賠償の金額は?

 上記の通り、リフォーム業者の責任が認められる場合、顧客にはどの程度の損害が発生していると認められるのか、が次の問題となります。

 なお、太陽光発電システム取付工事の契約が締結されなかった要因や、設備認定が期限までに申請されなかった要因が顧客にある場合には、損害との間に因果関係が認められないとして、リフォーム業者の責任が否定される、ないしは、過失相殺によりリフォーム業者の負担すべき損害額が減殺されます。

 損害の範囲については一般に「信頼利益」と「履行利益」に区別されます。契約が成立していない段階、すなわち、「契約締結上の過失」が問題となる段階では、契約の成立を信頼して支出した費用などの信頼利益の賠償だけが認められるに過ぎません。

 信頼利益の具体的内容としては、一般的に、契約締結準備費用、履行準備費用がこれに当たります。目的物の利用による利益などは「履行利益」であって、信頼利益に含まれないと考えられています。

 本件では、太陽光発電システム取付工事の契約の締結に当たり、顧客に実費が発生している場合には、当該実費が準備費用に該当すると考えられます。

既築住宅への太陽光パネルの搭載も増えている
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(出所:経済産業省)
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