不法行為責任による損害賠償の範囲

 一方、不法行為責任の場合には、不法行為と相当因果関係のあるものが損害として認められます。この場合は、不法行為がなければ得られたであろう利益(逸失利益)も、損害として認められる場合があります。

 そのため、設備認定がなされていると誤信させた行為を不法行為と捉えた場合には、契約締結準備費用、履行準備費用が相当因果関係のある損害として認められると考えられます。

 なお、本件では、未だ契約を締結しておらず、また、リフォーム業者が設備認定の申請を行うことが契約の一内容となっていたか不明確であることを考慮すると、顧客は、平成28年度の固定買取価格を前提とした利益を得ていたとして、上記の損害に加え、平成28年度の買取価格と平成29年度の買取価格の差額の割引現在価値が損害に含まれる、とまではいい難いところです。

 太陽光発電の買取価格は、年度毎に変遷しますので、本件のようなトラブル事例が発生してしまいます。この時期、営業活動中の顧客との対応に際して、上記のような案件が生じないよう、特に気を付ける必要があるでしょう。

2018年度以降の住宅太陽光の買取価格(委員長案)
2018年度以降の住宅太陽光の買取価格(委員長案)
(出所:経済産業省)
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