「違反」なら「遡及的無効」に

 消費者契約法に基づく契約取消の効果は、遡及的無効です。すなわち、契約は当初より遡って無効になります。もっとも、工事請負契約が解除された場合、請負人が施工した工事が可分であり、かつ当事者が既施工部分について利益を有するときには、特段の事情がない限り、既施工部分について契約を解除できないとの取扱がなされています。

 そして、消費者契約法に基づき、建築請負契約が取消された場合の効果について、原則どおり、契約全体が取消されて無効になるという見解もありますが、前記と同様に請負人が施工した工事が可分であり、かつ当事者が既施工部分について利益を有するときには、特段の事情がない限り、既施工部分について契約を取消せないとの見解も主張されています。

 この点、太陽光発電システムの設置請負契約が消費者契約法4条1項/2項及び特定商取引に関する法律9条の2に基づき取消された場合の効果について、前掲の神戸地裁姫路支部平成18年12月28日判決は、「本件契約は取消しにより無効であり、原告は本件工事代金請求権を行使できず、かつ被告に対する原状回復義務を履行すべきである」と判示し、工事全部の遡及的無効を認めています。

個人が投資目的で太陽光発電システムを購入することも多い
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(出所:日経BP、本文の内容とは関係ありません)
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