事理弁識能力がギリギリあるなら

 一方、契約時に事理弁識能力がギリギリあると判断される場合には、公証人役場に本人に同行してもらい、公正証書で売買契約などの契約書を作成することをお勧めしたいと思います。

 公証人という第三者による意思確認を経て、慎重に本人による契約意思の確認をし、更に、残代金決済時に立会う司法書士にも意思確認の手続きをしてもらう慎重さが欲しいと思います。

「補助制度」の活用も

 成年被後見人というのは、平成12年の民法改正でいう禁治産者を改めたものであり、被補佐人は、同民法改正で言う準禁治産者を改めたものですので、親族について同申し立てをするくらいなら、不動産売却を諦めてしまう人も多いのではないか? と推測します。

 しかし、平成12年民法改正にて、導入された「補助」(民法15条)の制度は、本人に事理弁識能力があることを前提に、補助人による同意権を付与する(民法17条1項)制度であるので、事理弁識能力がギリギリある人が最も活用したい制度です(図3)。

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図3●法定後見制度の概要 (出所:法務省民事局)