「住民交渉の失敗」について施工業者は責任を負うか

 メガソーラーの施工業者と住民説明会に関連して、こんなケースがありました。そのメガソーラープロジェクトでは、近隣住民への説明会で反対の声が上がり、会場では矢のように質問が飛んできたといいます。質問に立った施工業者が理路整然と説明できなかった結果、近隣からの反対運動が激化したようです。このような場合、「上手に近隣への説明ができなかった施工業者は、事業主に対して損害賠償義務を負うか?」という相談が寄せられました。

 近隣からの同意を取り付ける交渉については、本来、工事を依頼する事業主が近隣と交渉し、同意を取り付けた上で、施工業者に工事を依頼するのが原則です。

 しかし、「このような煩雑な交渉は、施工業者が担当しましょう」と、施工業者が事業主に代わって近隣交渉を実施することも多いようです。この近隣交渉が上手くいけば良いのですが、近隣住民から協力を得られず、結果的に「交渉失敗」になった場合、「施工業者さんの交渉が下手だから同意してもらえない」と、事業主からのクレームになってしまう可能性があります。

 結論から言うと、このようなケースで施工業者が事業主に対して損害賠償義務を負うことはありません。ただ、トラブル防止のため、メガソーラーの建設工事にあたって「近隣対応は事業主が行うのが原則である」との内容を契約書に明記しておいた方が良いでしょう。

図2●住宅に近いメガソーラーでは近隣とのトラブルが起きやすい(出所:日経BP)
図2●住宅に近いメガソーラーでは近隣とのトラブルが起きやすい(出所:日経BP)
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