「施工誤差」による危険性

(2)神戸地方裁判所(平成15年11月27日判決)

 本件プレートは,外科的手術によって骨折部位に直接装着して使用することが予定されている医療用具であって,医師の高度の専門的知識に基づいて処方されるものであり,一般の薬局での販売が予定されているものではないと認められるから,医師に対して,必要な使用上の注意,警告を与えれば十分であると認められる。そして,本件プレートの使用方法,使用上の注意点などについて,医師が患者に対し,いかなる事実をいかなる方法で説明するかは,患者の性質,医師と患者の関係,当該骨折の部位・程度等に応じて,医師の裁量に委ねられるべきものと考えられる。

 太陽光パネルの設置工事は、プロである施工会社にて実施するものであり、消費生活用製品には該当しないものです。プロである現場施工業者に対して,必要な使用上の注意,警告を与えれば十分であると認められると言えるか?必要な使用上の注意,警告がなされていないと見るべきか?という点が論点となります。

(3)名古屋地方裁判所(平成29年3月17日判決)

 一般に,医療水準として確立していない治療法を行う場合や診断的治療を行う場合には,患者が当該治療を受けるかどうかについての選択の幅は大きいと考えられるから,医学水準として確立した治療法を行う場合と比較して,提供されるべき情報も十分なものでなければならず,その意味において医師には高度の説明義務が課せられていると解するのが相当である。

 太陽光パネルの発火事故の機序について、一般的に確立されていない事情が存在する場合は,それが存在しない場合と比較して,提供されるべき情報も十分なものでなければならず,その意味において施工要領作成者には高度の説明義務が課せられています。

 「施工誤差」により危険性が生じることが一般的でないのであれば,メーカーにはより高度な説明義務が課されており,「施工誤差」により危険性が生じ得るという情報を提供しておかなければならなかったというべきか、と言う点が論点となります。

海外における住宅太陽光からの発火事故例
海外における住宅太陽光からの発火事故例
(出所:HEILIOS NEW ENERGY TECHLONOGY CO. LTD)