ローカル系統制約を蓄電池でクリア

 一方、(3)の「熱容量問題」は、全国各地で局所的に起こっている。ローカル系統が細い場合、再エネ接続によって送電線の熱容量を超えてしまうという問題だ。それでも再エネを接続する場合、電力会社から請求される系統増強費(工事費負担金)が高額になり、再エネの事業性が確保できないケースが増えている。

 「熱容量問題」による蓄電池の需要は、2015年10月に九電が、「発電時間帯を限定した再生可能エネルギーの系統接続」に関して、個別協議を始めたことで、顕在化し始めた。九電の場合、毎日9~15時まで再エネの電力をすべて蓄電池に充電しておき、それ以外の時間帯に放電するという条件で、個別協議を始めた(図5)。

図5●九州電力管内における発電機連系制約マップ(出所:九州電力)
図5●九州電力管内における発電機連系制約マップ(出所:九州電力)
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 これをメガソーラーに適用した場合、事実上、「夜間用の太陽光発電所」となる。実際、ハワイ諸島のカウアイ島では、17MW(連系出力13MW)のメガソーラーに蓄電池(52MWh)を併設し、昼間の発電電力の85~90%を蓄電池に貯め、夕方から夜の需要ピーク時に放電するという運用を前提に、蓄電池併設型メガソーラーの計画を進めている。

 ハワイの場合、需給バランス上、こうした仕組みが必要になり、元々電気代が高いため、経済性を確保できるとみられる。日本では、ローカル系統の弱い地域で、高額の工事費負担金と比較した選択肢の1つとして、同じ発想が出てきた。蓄電池のコストが下り、補助金制度などを活用して初期投資が抑えられれば、事業性が出てくる可能性もある。実際、九電の発表を受け、TMEICには、「熱容量問題」に対応するための蓄電池についても引き合いが出てきたという。事業性の模索が始まっている。

(TMEICの蓄電池戦略・後半は2月10日掲載予定)