ただ、九電は、出力制御の方法として、まず「交替制御」を採用すると公表している。「交替制御」とは、出力制御の対象となる事業者全員でなく、一部の事業者を交替で出力制御する方法を指す(図1)。「輪番停電」のイメージだ。この場合、輪番に当たらなかったメガソーラー内に設置した蓄電池を、輪番に当たったほかのメガソーラー事業者のために活用できれば、蓄電池の稼働率が上がる。つまり、出力制御に対応した充電制御を「肩代わり」できれば、1つの蓄電池を複数企業でシェアできることになる(図2)。
仮に設備費10億円の蓄電池システムを10サイトでシェアした場合、補助金制度で半額を賄い、残りの5億円を10事業者で負担すれば、1事業者当たり0.5億円で済む。
太陽光に伴う「長周期問題」は、エリア全体で供給が需要を上回って需給バランスが崩れる問題なので、「輪番」に当たらない地域で需要を減らしても、同じ効果が得られる。この仕組みは、「電力会社が、出力抑制対策の『肩代わり』が認められれば、いまの制度の中でも実現できる」と、TMEIC 新エネルギー事業推進PJの花田雅人・アシスタント プロジェクト マネージャーは言う。