25.9MWhもの蓄電池を導入

 一般的に、年間の最少需要を上回る容量の再エネを系統に連系することは難しい。発電事業者が無制限・無補償の出力抑制を認めるなど、FIT上の特例措置を適用されたエリアなら、技術的には連系できるが、発電事業者の収益性が低下する。中国電力は、FITに基づく一般的な電力購入契約で、11MWまで再エネを連系することを表明した。

 それが可能になったのは、旧隠岐空港のメガソーラー運転開始とほぼ同時期の2015年9月30日に、「ハイブリッド蓄電池システムによる技術実証事業」をスタートさせたからだ。西ノ島にある変電所に大型蓄電池を設置し、再エネの出力変動などを調整する(図2)。

図2●西ノ島変電所の位置
図2●西ノ島変電所の位置
(出所:中国電力)
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 導入したのは、Liイオン電池(出力2MW、容量0.7MWh)とナトリウム硫黄電池(NAS)電池(出力4.2MW、容量25.2MWh)という2種類の蓄電池で、合計出力6.2MW、合計容量25.9MWhとなる(図3図4)。2015~2017年度の3年をかけて、蓄電池システムの効率的な充電・放電制御などを検証する。環境省の補助事業で工事費の総額は約25億円となる。

図3●再エネの短周期変動に対応するLiイオン電池。GSユアサ製
図3●再エネの短周期変動に対応するLiイオン電池。GSユアサ製
(出所:日経BP)
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図4●再エネの長周期変動に対応するNAS電池。日本ガイシ製
図4●再エネの長周期変動に対応するNAS電池。日本ガイシ製
(出所:日経BP)
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 一般的に、太陽光発電を電力系統に大量に連系した場合、大きく2タイプの出力変動による影響が問題になる。雲の通過などによる「速く小さな変動(短周期変動)」に伴う周波数の変化、太陽の位置変化による「遅く大きな変動(長周期変動)」に伴う需給ギャップ(余剰電力)の発生だ。隠岐の「ハイブリッド蓄電池システム」実証事業では、短周期変動をLiイオン電池で、長周期変動をNAS電池で吸収するよう制御するのが特徴だ(図5)。

図5●Liイオン電池とNAS電池を使い分ける
図5●Liイオン電池とNAS電池を使い分ける
(出所:中国電力)
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