まずは再エネ11MWの受け入れが目標

 現在、隠岐諸島で稼働・連系している再エネは6MW(図10)。一方でハイブリッド蓄電池の合計出力6.2MW、合計容量25.9MWhに達するため、再エネの短周期変動、長周期変動に対して、十分な吸収力があり、余裕を持って運用できている。

図10●隠岐の島町で稼働した「旭メガソーラー隠岐発電所」
図10●隠岐の島町で稼働した「旭メガソーラー隠岐発電所」
(出所:旭電業)
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 今後、再エネが約11MW(太陽光6.4MW~、風力3.8MW、水力0.3MW)まで増えた場合は、どの程度、厳しい系統運用を迫られるのか。短周期変動に関しては、分散する太陽光と風力の「均し効果」もあり、6.2MWの蓄電池で対応可能な範囲だと考えられる。

 長周期変動に関しては、昼間の軽負荷期の太陽光の余剰が問題になる。隠岐諸島の春秋の昼間軽負荷期の需要は13MW。その際、例えば、定格出力8MW分のディーゼル発電機を複数台、稼働させ、部分負荷50%を下げ代の限界とすれば、火力の出力は4MWまで絞れる。この時点で再エネが11MWまで出力した場合、供給力は合計で15MWとなり、需要の13MWを2MW上回ることになる。この状態が6時間続くと、余剰分は12MWhとなる。

 それでも蓄電池の容量は25.9MWhなので、事前に半分程度を放電しておき、空き容量を確保しておけば、余剰分をすべて充電できることになる。とはいえ、蓄電池の容量をギリギリまで使い切るという運用は簡単ではない。

 中国電力では、ハイブリッド蓄電池システムのEMSの運用も、火力発電所のAPCと同様に、人による判断を必要としない、無人運転を想定している。天気予報などを基に、電力需要と再エネ発電量を予測し、EMSのコンピューターが充放電スケジュールを自動計算する仕組みだ。そのため、予測精度も加味し、余裕を持った運用になる。

 また、3MWのメガソーラーが稼働したのは島後だが、蓄電池システムは、西ノ島にある。その間は、22kVの送電線で結んでいるが、送電容量に限界があるため、島後の余剰電力をすべて西ノ島に送電して蓄電池に充電する、というわけにはいかない面もあるという。

 中国電力では、「まずは再エネの11MWの受け入れを目指すが、目標を達成するなかで、蓄電池の運用手法を改善し、需給バランスの制御技術が向上すれば、さらに多くの再エネを連系できる可能性もある」という。