

テスラはEVのほか、EV向けを応用した住宅用と産業用の蓄電システムを展開している。さらに、2016年後半には、太陽光発電関連を手掛ける米ソーラーシティ(SolarCity)を買収した。
これによって、太陽光発電の電力を家庭用蓄電池に貯めたり、EVに貯めて走ったりといったシステムの構築を、グループ内で提供できる体制となった。
同社は、蓄電池のセル(充放電素子)からモジュール(複数のセルを接続してユニットに収めた単位)、最終製品となる蓄電システム(住宅用の「パワーウォール」、産業用のパワーパック)まで一貫で製造している。加えて、太陽光パネルでもセル(発電素子)から屋根一体型パネルまでの製造まで手掛け始めている。
ケルティ氏はまず、蓄電システムの生産拠点について紹介した。同社が「ギガファクトリー」と呼ぶ拠点で、パナソニックと協力して蓄電システムを製造している(関連ニュース1)。
米ネバダ州のスパークス郊外に立地し、同社の需要に応じて段階的に工場を建設していく。すべてが完成すると、年産能力は35GWh以上となる。敷地全体の約3分の1を使った第1期の建物は完成し、すでに量産を開始している。
同社が「ギガファクトリー」の建設を決定したのは2013年。EVの製造・販売に関する将来の目標としていた年産50万台を実現するには、蓄電池の調達が難しくなると考えたためだった。
当時、世界の全蓄電池メーカーの持つ生産能力を合わせても合計で年に約35GWhだったため、それをテスラ1社で使い切ってしまうことになる。2017年に販売を開始した「モデル3」の場合、これを年50万台生産すると、35GWhさえ超えてしまう。