需給バランスを独自に管理

 HOPEは、これまで自社の再エネ電源を持たず、比較的、需給バランスの容易な高圧需要家を対象に外部から電力を調達し、供給してきた。防災エコタウンの運営も担ったことで、需給予測の難しい、太陽光と低圧需要家が加わったことになる(図14)。

図14●集合住宅(5戸)と屋根上太陽光(20kW)(出所:日経BP)
図14●集合住宅(5戸)と屋根上太陽光(20kW)(出所:日経BP)
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 需給管理がうまくいかなかった場合、最終的には東北電力との常時バックアップ契約に基づき、需給バランスが維持されるが、調達コストが上昇することになる。

 東松島市は、地域新電力の運営に関し、既存の電力小売事業者の主宰するバランシンググループに属さず、需給バランスの維持・管理を独自に行う方針だ。そのためHOPEに需給バランスを担う3人の人材を養成している。「電力小売事業のカギとなるバランシングのノウハウを他社に依存してしまうと、地域にノウハウが残らず、今後のエネルギー事業の展開が望めない」(東松島市復興政策課)との考え方が背景にある。

 太陽光と蓄電池を活用し、CEMSを活用した需給管理は、始まったばかり。「今後、年間を通じた需給パターンなどが蓄積されていくなかで、運用方法を改善していきたい」(東松島市復興政策課)という。

 需給実績が蓄積されていくと、予測精度がいっそう上がることが期待できる。加えて、電力小売事業の収益を最大化する視点に立った場合、平常時における大型蓄電池の運用パターンに関しても、検討課題になる。