蓄電池の低価格化で補助金なしで事業化

――蓄電池併設型のメガソーラーでは、国の補助金制度を利用することが多いなか、「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク2」では、補助金なしで事業開発を進めました。

TMEIC・産業第三システム事業部の木暮洋・副事業部長
TMEIC・産業第三システム事業部の木暮洋・副事業部長
(撮影:清水盟貴)

木暮 もちろん補助金制度を利用できれば、事業性は高まります。ただ、ここにきて、蓄電池の価格が急速に下がってきたことで、補助金なしでも事業性を確保できるようになってきました。蓄電池の価格はかつてkWh当たり20万円といわれましたが、ここにきて韓国など海外メーカーは、10万/kWhを切る水準まで下げてきました。量産効果を織り込んだ場合、約5万円/kWhという声まで聞かれるようになっています。

 安平サイトの蓄電池併設型案件が、補助金なしでもファイナンスに成功し、事業化に向けて動き出せたのも、こうした蓄電池価格の急低下が背景にあります。

――北海道では、北電が系統側蓄電池の設置を前提に、風力発電の連系枠を新たに600MW拡大し、発電事業者を募集しました。今後、風力についても、出力の平準化用に蓄電池の設置が進みそうです。

杉山 北電による「系統側蓄電池による風力発電の募集」は、新規枠の風力発電事業者が蓄電池の導入費用を出し合って、北電の系統側に大型蓄電池を設置するイメージです。北電は、600MWの風力発電設備の連系に対し、360MWh(出力90MW・4時間)程度の系統側蓄電池の設置を想定しています。第1期募集の600MWに続き、近い将来第2期としてさらに400MWの連系枠拡大を検討する、としています。その場合の蓄電池は240MWh(出力60MW・4時間)程度の想定です。

 第1期の600MWの新規募集枠には34事業者(119件)、合計で2.5GWの応募がありました。今後の再エネ併設型の蓄電池市場を考えると、この2.5GWが潜在的な需要になる可能性があります。

 実は、北電は、連系する風力事業者が資金を出し合って系統側に大型蓄電池を設置するスキームのほか、風力発電事業者が個別に風力サイト内に蓄電池を併設するパターンも認めています。系統側蓄電池に支払う金額(落札額)と自社の発電サイトに蓄電池を併設した場合のコストを比較し、併設型の方に経済性があれば、個別に蓄電池を併設する方式を選択する事業者が増えるはずです。