20年間の特性維持、角型が最適と判断

 蓄電池システムは、10個のコンテナ(図5)に分けて搭載されている。コンテナ中(図6)には、12個のセルから成る蓄電池モジュール(図7)が合計3200個収納されている。1つのセルの電圧は3.7V、容量は47.5Ahである。1モジュールを16直列したうえで10並列した蓄電池システムが1コンテナに2つ収納されている。1つの蓄電池システムが1つの500kWパワコンに接続しており、パワコンは20台あり、3個のコンテナに分けて収納されている。

図5●蓄電池向けコンテナ外観
図5●蓄電池向けコンテナ外観
(出所:日経BP)
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図6●蓄電池向けコンテナ内部
図6●蓄電池向けコンテナ内部
(出所:日経BP)
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図7●搭載された蓄電池モジュール
図7●搭載された蓄電池モジュール
(出所:日経BP)
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 寿命については、20年間にわたって特性維持を目指す設計とした。寿命シミュレーションによって、15年後に電池容量を確認したうえで追加する計画としている。

 Liイオン蓄電池の歴史は浅く、比較的古くからLiイオン蓄電池システムを供給してきた同社でも「15年以上にわたって実際に使用して寿命を測定したケースはない」と橋本氏は語る。高寿命にするためには、電池特性を上げる必要があり、そのために電池形状についても「角形が最適だと判断している」(GSユアサ)という。

 角形は他のパウチ型や円筒形に比べてコストアップになるが、電力や電解液などの構成要素を金属製の角形筐体に入れて溶接して封入することによって、パウチ型のように液漏れすることがないという。また、円筒形のように中心部に排熱が溜まることなく、「性能と安全性に優れることが確認されている」(橋本氏)という。今回のプロジェクトでも角形の性能と安全性が評価されたとしている。

 GSユアサは今回のプロジェクトで、BMS(バッテリー・マネジメント・システム)も開発した。特に注意したのは、「SOC(充電状態)、セル電圧、モジュール電圧、セル温度などを正確に計測することだった」という。その点、同社の産業用蓄電池システムは、大型セルを使うことによって、グループ単位ではなくすべてのセルを実際に測定して上位システムにデータを迅速に上げることによって確実な制御につなげている、という。

 4月以降、実際に稼働しているが、「1%/1分」以内の変動幅を逸脱するケースは「かなり少ないレベルに制御できている」(橋本氏)としている。