PCS使い系統電圧制御を実施

 今回の実証では、時間単位の充放電による需給バランス改善のほか、系統電圧制御、周波数調整の実証も行う。

 蓄電池の交直変換を制御するPCSは、仕事に変換できる有効電力のほか、一定割合の無効電力を供給できる。無効電力とは、動力や電灯など仕事に変換されないものの、電流の流れをスムーズにする特性があり、これを系統網に投入すると電圧を下げる効果がある。

 今回の実証プロジェクトでは、大容量蓄電システムの充放電指令と充放電状態の監視を福岡市の中央給電指令所で行う。一方、蓄電システムの設備状態の監視と電圧制御は、北九州市にある北九州電力センター総合制御所が担当している。

 豊前蓄電池変電所は、66kV(6万6000V)の特別高圧送電線に連系しており、ここに無効電力を投入したり、吸収したりして、系統の電圧を制御する。元々、電力系統は負荷の軽重によって電圧が上下する。加えて、太陽光発電設備が大量に連系し、晴天時に電力が逆潮されると、送配電網の電圧が局所的に上昇する。

 従来、系統の電圧が上昇した場合、「電力用コンデンサ」や「分路リアクトル」と呼ばれる装置によって、電圧を制御していた。ただ、これらの装置は、電圧を段階的にしか制御できない。これに対し、PCSは無効電力を連続的に投入できる。

 今回の実証では、こうしたPCSの特徴を生かし、よりきめ細やかな系統電圧制御の効果などに関して検証する(図8)。

図8●PCSから無効電力を投入して系統電圧を制御する
図8●PCSから無効電力を投入して系統電圧を制御する
(出所:日経BP)
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