ディーゼルの部分負荷運転では燃料を切り替え

 一般的に離島では、需要の変動に対し、ディーゼル発電機の出力を調整することで需給バランスをとる。系統の周波数は、供給が需要を上回れば上がり、逆なら下がる。そこでディーゼル発電機は、周波数が上がり始めたら出力を落とし、周波数が下がれば出力を上げるという運用を行う。系統内に再エネが接続された場合、再エネの出力分は、系統運用者にとってみると、需要減による周波数の上昇という現象として感知される。これに対応してディーゼル発電機の出力を下げるように制御する。

 こうしたディーゼルエンジン発電機の出力制御は、系統の周波数を指標にコンピューターが自動制御する。ただ、エンジン発電機の出力を定格より下げ、一定以下の部分負荷運転になった場合、燃料をC重油からA重油に手動で切り替えるという(図6)。部分負荷の限界は定格出力の50%とされ、それに近づくと運転が不安定になる。そこで、潤滑性の良い燃料に変える必要がある。

図6●壱岐島で稼働するディーゼルエンジン発電機(出所:日経BP)
図6●壱岐島で稼働するディーゼルエンジン発電機(出所:日経BP)
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 また、再エネの出力変動が秒単位で急峻に変動した場合、自動的に行われるディーゼルエンジンの出力制御が追随し切れない。ディーゼル機関では、燃料を気筒内に噴射して爆発的に燃焼させ、ピストンの上下運動をクランクで回転運動に替え、発電機を回す。この機械的な構造上、急激な出力の調整には限界がある。一般的には10秒以上かかるという。従って、秒単位での変動には対応できず、短期的に需給バランが崩れ、系統の周波数が変動することになる。

 快晴や雨といったはっきりとした天候の場合、太陽光や風力の出力の短周期変動は小さい傾向にある。一方、強風で雲の切れ間が多いような天候では、雲間が流れるので太陽光と風力の両方が激しく出力変動し、周波数変動が多くなるという。

 もともと系統規模の小さい離島では、需要変化によっても需給バランスが崩れやすく、周波数は変動しやすかった。国内電力会社は、こうした周波数の振れ幅(周波数偏差)の目標値を本土で±0.2Hz、離島で±0.3Hzに置いている。

 加えて、再エネの導入が増えて供給側でも予期せぬ出力変動が起こるため、系統運用の難易度が上がってきた。壱岐における風力発電では、周波数偏差が0.2Hzを超えることほど短期的に出力が変動することがある。これに太陽光が加わり、さらに発電量が増えていくと、変動幅がさらに大きくなることが懸念される。