短期と長期の出力変動に対応可能

図9●出力800kW(600kWh)の「甑島蓄電センター」(出所:日経BP)
図9●出力800kW(600kWh)の「甑島蓄電センター」(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図10●九電の「甑島第一発電所」。8基で総出力1万4250kWのディーゼルエンジン発電機がある(出所:日経BP)
図10●九電の「甑島第一発電所」。8基で総出力1万4250kWのディーゼルエンジン発電機がある(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 甑島での昼間の最小需要は約3000kWで、太陽光は約300kW、風力250kWが接続されている。「蓄電センターの出力800kW(600kWh)は、島内の系統規模を考えれば、インパクトは大きい。秒単位の短期的な周波数の安定化に加え、時間単位の需給バランスの維持にも活用できる」と、住友商事の藤田部長代理は言う(図9)。

 九電の火力発電所の運用と協調することで、ディーゼルエンジンの稼働台数を切り替える際の供給力を一時的に補うような活用方法も考えられる(図10)。

 実証を通じて、再エネの出力変動に対する適切な充放電制御手法を確立し、それによって島内に導入できる再エネの追加量を算定する。加えて、出力安定化サービスを提供した後、蓄電センターが受け取るサービス料をどのように決めるのか、という点も大きな検討課題になる。

 実は、住友商事は海外でこうした出力安定化サービスに加え、系統向けの電力安定化サービスを手掛けている。「九州電力からの協力を得つつ、海外での知見を提供することで、蓄電池を使った国内での事業スキームを探っていきたい。甑島で事業モデルを確立できれば、電力システム改革の進展によって今後、ほかの地域でも展開できる可能性がある」と藤田部長代理は期待する。