商流の中心となるインテグレーター

 特に、バリューチェーンの中心的存在となってきたのが、「ストレージインテグレータ―」である。蓄電池セルまたはストレージシステムそのものは製造せず、顧客のニーズや環境に合せて最適なものを選択して、自社または他社のソフトウエアやインターフェースを組み込んで、ソリューションとして提供する。

 大手インテグレーターは、蓄電池セルの評価装置を所有し、自社基準で認証したものを採用することが多い。このため、蓄電池セルメーカーにとっては、大手インテグレーターにいかに採用を促すかが重要になり、営業合戦が激化している。

 インテグレーターが提供するソリューションは、蓄電池セルや制御装置、収納容器や建屋などのハードウエアとソフトウエアからなるが、「差別化のために重要なのはソフトウエア」と各社とも声を揃える。このため、これまでのノウハウを入れ込んだソフトウエアの開発をアピールしている(表4)。

表4●主要蓄電池インテグレーターのソフトウエア、ソリューション
表4●主要蓄電池インテグレーターのソフトウエア、ソリューション
(出所:「世界再エネ・ストレージビジネス総覧」)
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 インテグレーターの存在感が増してきたことから、2017年に入り企業買収の動きが相次いでいる。2017年5月には、船舶向けディーゼルエンジンなどの機器を製造するグローバル企業であるフィンランドWartsila社が、米大手蓄電池インテグレーターであるGreensmith Energy社を買収したと発表。2017年7月には、発電機のレンタル事業で最大手の英Aggreko社が、独Younicos社を買収すると発表した。両社ともに、蓄電池システムを自社のポートフォリオに組み込みつつ、エネルギー事業の拡大を目指している。