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――仕掛学は主にどういうところで使われていますか?

 幅広い分野で使われています。仕掛けは行動変容のためのアプローチなので、対象が何かは問いません。現在さまざまな共同研究を進めているのですが、消費財メーカーや市役所など分野を問わずにたくさんの機関から声が掛かっています。

 佐賀県と唐津市との共同研究で、「シカケウォーク」というイベントを開催します。市民に歩いてもらうために、町中にさまざまな仕掛けを設置して、結果的に町中を歩いてもらうイベントです。

――仕掛学はヘルスケアにも活用できる可能性がありそうです。

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 ここ1年くらいでヘルスケア関連の話が飛び込んでくるようになりました。ついしたくなるようなアプローチである仕掛学が、正攻法ではうまくいかないヘルスケアと相性が良いのではないでしょうか。

 例えば、タバコを吸っている人に、この本を読めばいかにタバコが体に悪いかがわかると言ってもきっと読まないでしょう。自分にとって不利な情報が書かれていると分かっていれば、取得しようとしません。これを認知的不協和といいます。

 ヘルスケアにもこういう面があると思います。だから正攻法的なアプローチはなかなか効かないのです。別の目的を設定してあげてから、行動を変える方が向いていると思います。

 ただし、これはまだ確立しているものではありません。一度の行動を変えることは簡単でも、継続させるにはまだ壁があります。一度の行動変容をいかに継続につなげるかが今後の課題だと思っています。